Top Page | 1. 梅林号 D51470 | 2. 蒸気機関車の日常 | 3. 元蒸気機関士 | 4. 今の技術なら | 付2. リンク | 付2. 近隣の保存状況 | 交流板 |
第1章 データ | 第2章 誕生〜廃車 | 第3章 梅林公園展示〜20年 | 第4章 さらに 6年 | ||||||||||||||||||||||
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付1. 今後の予定 | 付2. 顔ぶれ | 付3. 見学者 |
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保存会の発足は意外に新しい。逆にそれまで、中原さん一人に頼り切っていたということになる。が、会が発足し、まず広報活動がスムーズに進むようになった。副会長の一人、名古屋のA.Yaさんがその方面を活発に進めているからだ。春日井保存会(会長の中原さんはもともと会員)との交流も活発になり、さらに2004年夏頃より、春日井保存会所属のニックネームが「春日井のつばめ」「きた」さんを中心に化粧直しが始まってからは、補修作業に磨きがかかるようになった。以下は、新しい順に記録の形で掲載しよう。 |
このとき、まだナンバープレートの 4の中は赤い。細筆で塗るところは残してあると中澤さん。 |
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残りが無くなった訪問帳用紙を入れ替えるため、4時ごろ訪問帳自体を取りに梅林公園へ。はてにゃんさんに、それを取りに来ていただいた。その訪問帳、見落としていた書き込みがあった。「すべての部品に説明を付けてください」というもの。これ、はてにゃんさんの思いと同じじゃない。やはり説明を欲しい人が居るんだなと思った。そういえばその訪問帳を取りに行ったとき、階段から下りてきた親子がいて、子供が空気タンクを指さし、お父さんに質問していた。「これなに?」「蒸気貯めだよ」。間違いだけど、どうせいつまでも覚えていることはないので、放置しても良いが、でも、やはり正しいことを知ってもらうべきと思い直し、お父さんのプライドを傷つけることになるので申し訳ないと思いながら「これは空気だめですよ、蒸気だめはあの上の方にあります。この空気だめはブレーキなどに使いました」と説明。 そんなわけで、はてにゃんさんがプリントなどを取りに来られたときにその書き込みを見せ、「何らかの説明があった方が良いかもしれないですね」というと、「取り外し可能なプレートにして、梅祭りなどでかけるというのでは?」と提案された。もちろん中原会長などに提案して、決める必要がある。さしあてたって、取り外し可能なプレートをかけておいて、「写真撮影でじゃまな場合は外して結構、ただし、撮影後は元に戻してください」と書いて、試してみるのも良いのでは?紛失が頻発というような場合はまた別の方法を考えるとして。 |
今日は今年最後の公式活動日。昨夜、HPkeeperに副会長のAYaさんから、汽笛を鳴らせますか?と電話。12時に汽笛を鳴らす予定ですと答えると、良かった、お客さんを連れてゆくので、とのこと。他にもHPkeeperには客が二組、その一組には汽笛を鳴らすと言ってあった。実際、活動日は少なくとも昼は鳴らすことにしている。先月は、春日井のツバメさんとはてにゃんさんが、中津川の活動日にサービスで汽笛を鳴らすため、汽笛一式を持って出張、梅林公園は鳴らさなかった。二ヶ月ぶりになる。 HPkeeperの私が到着するとすでに会長とはてにゃんさんが活動中。とにかく、早めにコンプレッサーを使って蓄圧を開始しなくては、12時に間に合わない。と思ったらすでに私の訪問者が来ていて会長からなにやら熱心に説明を受けていた。 その二人、私が貸すものを取りに来るということになっていたのだ。ところが私は忘れた。汽笛準備を終え、彼らの来るまで私の家まで取りに行くことにしたところで、もう一組がやってきた。 忘れ物を取りに行き、渡したあと、帰ったと思った最初の二人が戻ってきた。「煙演出、やるんですか?」と問う。やるよというと、それなら見たいという。それでスモークマシーンを取り出すのを手伝ってもらい準備。そのうちAYaさんとその連れの方が到着。スモークは圧力が不十分でもなんとか演出できる。スモークマシーンは長い予熱時間が必要なのだが、今日は異様に長かった。準備の間に、二組の訪問者に煙室を見せ、煙管、過熱管、水蒸気吐出管→煙突で、火室へ空気が流入する理由を説明。 予熱完了で、演出開始。AYaさんの連れという方にも演出開始を案内。いよいよ実演すると、私の訪問客は大喜び。自分でもやってみたらというと、やってみてまた感激の様子。キャブで、吐出管から空気を流さねば当然、火室扉からスモークが逆流、さらに下に降りて灰箱からも出てくる。吐出管そばから圧縮空気を流すと、すーっとそれらの煙が火室に吸い込まれてゆく。それを確認して、再度感激した様子。 |
HPkeeperの来客。左端は、10/21の小学校高学年生向けの「デゴイチの秘密をあばこう!」企画で協力してくれた、アルバイト学生のG君。 |
ベビーカーで連れてこられたけれど、歩くことは十分できる子。「列車が大好きになんですよ。たぶん、ここでこの機関車を見せたのがきっかけなんです。実際機関車に乗れるところって近くにありますか?」というので、大井川はいつでも、米原から木之本までは季節によって、京都梅小路は予約なしでいつでも乗れますよと説明。 11時頃、「おはよーございます」と子供の声がフェンスの向こうから聞こえた。末次さんの言っていた河渡からの子。いつもの服装、帽子。しばらくあれこれはなしていたが、そのうち荷物を取り出した。何を始めるのかと思ったらNゲージ?のレールを敷き、蒸気機関車を取り出した。ディーゼル機関車、信号機、車止め、客車とどんどん出てくる。「どこで買ってきたのー?」と末次さん。「近くで」。この子、写真で右に写っているD51470の現役時代の写真から、「厚狭機関区・ごくろうさんSL」を担ったとき、宇部港注泊所の写真(新旧交代。当時は憎きDD51この思いで一杯だった。)を見つけ、「これと同じだ」と叫びながら、持ってきた蒸気機関車とディーゼル機関車を並べて喜んでいた。 |
私の開会の挨拶のあと、中原会長の姿が見あたらず、間を持たせる意味もあって、大学から来て手伝ってくれている人、代表だれか、話したい人?と募った。だれも遠慮して手を挙げない。急遽昨日から来ている I 君を指名。驚いて、「ぼ、ぼくですか」と応答。「そう、何か歓迎の意味を込めてね」というと、それなりに挨拶をやってのけてくれた。写真で見てのとおり、普段から遠慮がち、人前で話すのは苦手な方、だからこそ指名したのだった。参加者も少ないから、緊張感も緩いはず。と思ってだったが、考えてみたら、なんと NHKのカメラが構えていたのだった。そんな雰囲気の中でも、下を向いて照れながらも、挨拶してくれたのだ。 |
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↑は参加者全員ブースAで元機関士・中原会長の説明を聞いているところ。その右は、その説明の後、飛び入りで高学年生ではないからと、遠巻きで見学していただくのは構いませんと案内した方たちだと思われる。いわば、普段の見学風景である。 |
「さて取りい出しましたるこの摩訶不思議な透明な物体は・・」と手品をしてるわけではない。「三つのビニール袋のうち、左の一つと右の一つが膨らみ、右の最後の一つはぺしゃんこでしょ」とはてにゃんさんが語りかけているのが聞こえてきそうである。(次は→へ) (から) この袋をつぶす役は、代表の生徒のはずだが、写真が無いのが惜しい。結果は、この写真の通りで左の袋は完全にぺしゃんこになるまで空気を吐き出してしまった。そのとき右の二つの袋はと見れば、ぺしゃんこの方はぺしゃんこのまま、ぱんぱんに張っていた方はかなりへこんでいる。つまり、こちらから空気を吸い出されたことになる。どうして、一般常識と違うことが起こったのか。手品をやったわけではない。手品は、仕掛けがあって、手品師が見ている人にわからないように演ずる。これはしかし、摩訶不思議な筒を小学生が支えても、その装置を初めから小学生が作っても、同じ事が起こるのである。気体の性質を利用しただけのこと。その性質が機関車には巧妙に利用してある。家庭のガスコンにも瞬間湯沸かし器にも。(次は→) |
「さーて、皆さんお立ち会い、皆さんが見て左側のこの袋をぎゅっとつぶしてゆくと、中の空気は煙突役の上のパイプから出られるし、太い筒でつながっている右の二つの袋にも繋がっている。それらの袋はどうなるでしょう? 『あほなこと聞きなさんな、その空気はその太い筒を通しても流れて行けるんだから、二つのうちつぶれた方の袋が膨らむに決まっとるがね。なんでふくらんだ方がつぶれる必要が有るの?』よほどのへそ曲がりでも無ければ、そう思うでしょ。これは手品ではないので、へそが曲がった考えだけでは、理科や科学と言えない。」と続けているような風ですね。(次は 模型実験でわかった機関車の仕掛けの、煙の動きを自分で確かめる女子生徒。別に大きな音がするわけではないが、こんな図体の大きな重たそうな機関車にさわるのは始めてだから、つい耳を押さえたくなる気持ち、わかるよ。でも、はてにゃんさんもG君も、手伝ってあげないの? |
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あとでわかるのだが、NHK TV 12時45分からの東海ニュースで、一番はっきり映ったのは、このはてにゃんさんの手品もどきの光景だった。 |
TVカメラがあちこちの角度で迫る中、生徒たちはそんなことにお構いなしに実験に夢中の様子。おっと、最初の写真、バーナーで火を起こしているのは昨日は写真班だった若原さん。写真撮影に疲れたのか、実験の方が楽しいのか? |
上二枚は、ビニールチューブの U字管で自分が吐く息の圧力を測定しているところ。右は測定を終わって、資料に書き込む場所が作ってあるので、その値と、その圧力で発生しうる風の速度を記入しているのだろう。その後ろでは TVカメラが構えている。物怖じしないのは現代っ子の特徴?その横では網一人が私が見せている巻き取り笛の様子を見ている。そのポジションは、一歩前に出たいところだが、カメラに気を遣って控えている。 |
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→テーブル上の簡単な仕掛けが、上述した春日井のつばめさん考案即席製作のタービン発電機セット。肝心な部分を(直流モーターにプーリーを付け、幅広薄肉ゴム板を一周張り付けたもの)と↓(小型ヘリコプター用単段タービンブレード:実物)に拡大した。 |
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13時過ぎるころから、参加者が受付に来られる。人数が多いので、その方がありがたい。ぎりぎりで一斉に来られると、資料、参加証、アンケート用紙の配布の収拾がつかなくなってしまう。実は後でわかるのだが、アンケート用紙は小学生用と同伴者用は違う。当方の配布ミスなのか、参加者が取り違えられたのか不明だが、提出後のアンケート用紙の使い方が逆になったものがいくつか出てきた。 |
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いよいよ本企画最後の部である。これまで無事故で来た。最大人数を迎えるが今回も事故だけは発生しないことを祈り、13:30開始。今回は守る会の若手を代表して春日井から駆けつけて来てくれている、貴重な存在のニックネーム「春日井のつばめ」さんことつばめさんに歓迎の挨拶をしてもらった()。 | ||
会長が手にするハンマーは、人間で言えば聴診器のようなもの。鉄でできた機関車にひびがはいっていないか、ゆるんでいるところはないか、調べるのにあちこちこのハンマーで叩いて音を聞き分けることで、不具合箇所を見つけるのに使う常備品。最近は、超音波診断装置があり、その超音波を発して戻ってくる波形を見ることで、疲労亀裂の進展など、不具合の存在を調べる。細かいクラックもこれでかなりわかる。 |
何をやっているか、もうおわかりですね。 | ||
午前の部では見習い。午後はG君も主役に。質問にきちんと対応できているようだ。 |
TVで見たことはあるような気がするが、実物のサーマルカメラに自分が映るのはやはりうれしい。 |
ピンクのシャツを着てスターリングエンジン車をのぞき込んでいる半ズボン姿の女の子は、参加者ではない。遊具で遊んでいて、何をやっているのか興味がわいて見に来たようだ。 |
↑は、遠山先生製作で私がいただいて、熱力学の講義や高校・高専への出前授業に持参て見せ、回す小道具のスターリングエンジン模型、そのカットモデル。とくにカットモデルは、午前の部であるお父さんが熱心に動くメカニズムを質問されたときなどに、理解しやすい重宝なもの。実は、この他にカットモデルとして、普通のガソリンエンジンと同じ仕組みのアルコールで動く模型用エンジンも展示していた。 |
受付開始。いよいよ本番間近。緊張感漂う? 参加証(胸にぶら下げるタイプ)、資料(10p)、アンケート用紙を同伴者を含め、一人ひとりに配布する。担当はI先生、K君 つづいて守る会・中原会長の挨拶が有ったが、見合う写真がなかった。次に本企画連携機関の遠山先生の歓迎の挨拶。 |
予定時間に少し遅れて開始。まず本企画主担当者の私が開会の挨拶。 実験に入る前に、今日の参加者20余名を5人づつの4班に分けた。各人がどの班に属するか読み上げて知らせる。その班がどのように A〜Eまでのブースを回るか、それを終わったら(全員同時に開始、同時に終了となる)、ぽんぽん船工作があり、スターリングエンジンカー試乗会(このエンジンの性格からと時間の都合から、実際乗れるのは運がよい子に限られてしまうのが申し訳ない)、さらに熱利用おもちゃなど見て周りについて説明。 |
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そのあと景気良く、十分圧縮が終わった(8気圧)空気を使って、中原会長に汽笛を鳴らしてもらい、課外授業開始。それぞれの参加者グループは自分たちのブース訪問順にしたがって、その場所に移動。 なお、以下の解説文はこの日のことだけではなく、21日のことも含んでまとめて書いている。だから、20日午後参加した人で、こんな場面は無かったという人もいるかもしれない。そこは容赦ください。一回一回の記憶はたどれないので。 |
上と左はブースAの様子。担当は中原会長とI君。めっぽうたくさんある圧力計、バルブ、レバーがなぜ必要だったか、石炭はどう炊いていたか、機関助士は何をやっていたかなど、得意の中原節に身振り手振りを加えて説明。I君はもっぱら、子どもが火室扉の開閉時に手を挟まないよう見守る役。高圧空気は、煙演出、汽笛、それとこの火室扉開閉に使うため、どんどん下がり、ついに火室が開かなくなってしまったとI君。140g/分のエンジンコンプレッサー、100g/分のモーターコンプレッサー二台でもとても追いつかない。石炭を燃して作る蒸気パワーはさすが。機関車を動かし、汽笛を鳴らし、火室ドアなど意にも介しない量だったろう。 |
↑、→、↓、はブースBの様子。担当はつばめさんとY君。 ↑は、汽笛の音階説明をするつばめさん。説明の後、5つのノズルに貼り付けたガムテープの一室分を取り除き、生徒代表に汽笛レバーを引いてもらう。次に取り除く室を変え、鳴らして、音階が違う、全体では開始の合図で聞いた5つの和音になっていることを理解してもらう。つづいて、 ATSタービン発電機を開いて、回転数調整子が蒸気室のATSのバルブを開けると回転を始めること、徐々に回転音が高くなること、非常に高い回転数に達すると発電電圧が十分となり、電球が明るくなる(↓)ことを見てもらう。これは現在我々が電気を使っているが、それを発電する蒸気タービンと同じということ、それがすでに蒸気機関車に使われていたことを説明。最後に、私が所蔵するヘリコプター用単段タービン(実物)を使ってブロアーで風を送ると、風車のように回ることを見てもらう。この出し物は、この日つばめさんが、二回目の班が来たときまでの間だったと思うが、思いつかれて、私所蔵のブレード貸してほしいと言われ、展示用に持ってきていたそれを貸したところ、この演出をされたのだった。この日の帰り、つばめさんは、さらに明日はこのタービンの円周に模型用直流モータ軸にプーリーを取り付け、タービンにより回転できるようにし、発電してみせたいと思いを語っていた。子どもたちの中には、モーターはモーターと思っている子も居るだろう。これを外から回してやると、発電機に変わることを知ればまた勉強になる。 私は、小学校高学年のとき、そのモーターを二つスプリングジョイントでつないで、一方を回転させればそれが発電機となり、その発電電力で他方のモーターを回すと考えた。 |
それが正しいなら、最初の一撃分だけで、あとは外から動力を与えなくても、自立して回転し、もし効率よければ、余った電気で豆電球が灯ると真剣に思い、少ない小遣いを貯めてマブチモーターを買った。実験したが、どうしても電球は点かないどころか、モーターもすぐ止まってしまい自立回転する様子は微塵も無かった。モーターの組み合わせが悪いのかと、いろいろ小遣いをはたいて購入し試したが、どうにも点かないとあきらめたことがある。中学か高校で、エネルギー保存の法則というものがあって、その努力は無駄に終わることが決まっていたと知る。子どもたちに、そういう失敗でも良いから何でも試してもらいたいというのが、この企画の真意。 このブースBはこのように、実験が二つ入っていて、他より内容が沢山。非公式側で一度にやるのが効率的との判断。Eを除くどのブースも一つの班は15分で終了して移動しなくてはならない。消化不良気味だったかもしれない。 |
↑2枚と→および↓2枚はブースCの様子。担当ははてにゃんさんとKu君。 ↑は、中日新聞の記者が取材に来て順に見て回っているところ。私はE担当で、今日の人数が20名余と少なく、班が二つ少ないため、最初30分だけ訪問する班が無い。ちょうどその時間帯に来られたので、ついて説明して回った。はてにゃんさん、ちょっと神妙? Ku君も少々気遣いながらの説明? 記者が去れば、小学生も含め、自然体。Ku君がボイラー、火室、煙室、煙突、吐出管の模型を用いて吐出管から空気ジェットが出ると火室下の通風口から空気が入り、煙突へ抜けることを実験しようとしているところ。それがわかるように、今年の梅祭りでは、微粒子を使おうとしていたが、失敗。流体の実験ではパーティクルトラック(粒子追跡法、粒子が細かければ、空気とスリップせずほぼ同じ速度で流れるので、空気の速度を微粒子速度で代用して測定する方法)と言って、当たり前の方法なのだが、火室が流路面積急拡大となり、粒子がチンダル状態で空中にとどまらず落ちてしまう。空中にとどまってなんとか煙管を通って行く数は激減する。それが煙管を出たらまた煙室が流路面積急拡大になっていて微粒子が落ちる。煙突まで出て行ける粒子は、目に見える量とはほど遠くなってしまう。それで、どうしたものか思案したのだが、結局、火室下通風口相当位置に開けた穴に薄いニール袋を二つ取り付ける。一方をぺしゃんこにし、他方をぱんぱんに空気を入れておく。そして、吐出管にもビニール袋を取り付け、ぱんぱんに張るほど空気を入れておく。子どもに、そのビニール袋を押したら、空気は煙突に向かって流れるが、火室の下の二つのビニール袋はどうなるだろう?と問いかける。全員が案を出したところで、生徒の代表にそれを押してぺしゃんこにつぶしてもらう。誰もが通風口のぺしゃんこの袋がふくらむと想像する。ところが、やってみると、ふくらんだ方がつぶれてゆく。 それを、実物で可視化(火室でスモークマシーンで発生させた霧を利用)して見てもらうのである。K君は航空部なので、流体力学に明るくなくてはならない。そうプレシャーをかけて、前もってその原理を説明しておいた。ただ、Ku君はその原理を理解しておく必要があるけれど、子供たちに説明する必要はない、子どもたち(大人も)が「不思議だなー」、「どうしてなんだろう?」と首をかしげればしめたものだよと言って置いた。 →は開始前の予行演習時?スモークマシーン一台でこれだけ全体がモヤる。 |
自分で煙と音を出してみて、納得。いや不思議なことが起こっている事実を納得。こうして、自分でやってみることで、子どもは理解がすすみ興味がわく。文科省は今頃授業を減らしすぎたと反省していると数日前に報道されたが、何を今更?ということ。少子化で子どもは少ない、先生は私たちが育った頃と比べれば一人の生徒あたりは非常に多い。十分手がかけられる。が、実験らしきことはあまりやっていない。危ないことはやらないということなのだろうか? そうこうするうちに、先生ができなくなっているのでは? |
ここから6枚はブースDの様子。担当はI先生、A君。 | ||
は以前梅林公園の蒸気機関車を見に来る子どもたちに見せたいからと、出光興産にお願いして送ってもらった石炭を見せているI先生(ちなみに、日本で石炭はもう掘っても良質なものは出てこない、これはオーストラリアからの輸入品、品質としては瀝青炭と言って油脂分が少々入っている、蒸気機関車に好んで使われた種類、サイズも出光興産が蒸気機関車の説明に使うということで、それなら当時使われた大きさを選んで送りましょうと親切だった)。「これからこの石ころのようなものを燃してみるけど、石ころが燃えると思う?」と言っているのだろうか。ぴかぴか光る黒い石のように見えた石炭も、持ってみると意外に軽いと子どもたちも感じたに違いない。炭に近いと思った子もいるかもしれない。力を入れると割れることに気づいた子もいるかもしれない。意外と脆いなと。 ↑:石炭はなかなか点火が難しい。それでバーベキュー用の助燃剤を使って着火をする(実際、蒸気機関車も一度火を落とすと再点火は大変だったと言う、石油を染みこませたぼろ布などを使ったという)。私とブースEで組むH君が出張して手伝っている。 ←:サーモカメラの向く方に手をかざしてパソコンをのぞき込み、自分の手の温度を確認している生徒。全員が調べて、もっとも高い表示になった子と低い子が握手して、実際と同じか、調べてもらう。ついつられてか、お母さんも手の平が動いてしまう様子。パラソルは、パソコン画面が外では見にくいので急遽Sさんが自転車で自宅から持ってこられた。 燃える石炭の表面温度測定中の写真は無かった。21日はどうだろう。 |
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↑は熱電対で燃焼ガスの温度を測定しているところ。見てほしいのは、石炭表面温度より燃焼後のガス温度の方が高いこと。だが、理屈ではそうであっても、私自身測定したことがないのだ。あとから聞けば、やはり石炭表面温度はガス温度より200℃ほど低かったとのこと(理屈でそうであっても、測定方法などで思う結果が出ないのが常、その理屈に反した結果が出ては、子供たちに間違ったことを理解してもらうことになってしまう)。熱電対の輻射熱損失も考えれば、もっと差があったのは確実。でも、これは子どもたちに話すことではない。学生アルバイトにも、そう伝えてある。常識(誰もきっと、石炭が燃えて温度が高くなり、その周りのガスの温度はそれより低いと思うだろう)とは違うことが起こっていることを目の当たりにする、そしてなぜと思う、それをしっかり覚えておくことが重要。なんどもこういう経験をすることで、「何でも軽く考えてはいけない、ちゃんと考えないと事実と違うことを正しいと思う危険がある」という考え方が身に付く。そこがその子にとって「真の科学の始まり」。なぜかは、大きくなってからわかれば良い。 ここで測定して電圧計を見せているのは、熱電対を磁製管に入れて安定して測定できるようにしてくれた、H君。A君はサーマルカメラの扱いは手慣れているが、この熱電対ははじめて使うので、作成したH君が手ほどきがてら測定しているのかも。 | ||
↑:測定値はいきなり温度が出てくるわけでなく、熱起電力でまず現れ、それを校正表で温度に変換することを示しているI先生。小学生だから、温度表示するメーターを持参しましょうかとI先生が私に質問したが、いやいや、そうするとなにやら温度がいきなり出てくる方法が有ると思うだろうから、そうじゃなく、理屈は言わずとも、段階を踏むことを体験させるのが良いだろう(風が吹いたら理屈無く桶屋が儲かる話しが今は多すぎる、科学を学びに来た子供たちなのだから、風吹いてから、桶屋が儲かるまでには、なにやら屁理屈が有ったということを示すだけでも、ためになる)とあえて精密電圧計と校正表を持参した次第。 |
これは、水上置換装置を使ったピストンの働きを理解する装置(当日配布資料には構造が図解してある)。写真透明の筒は内筒と外筒があって前者の底は下にあり、後者の底は上。いずれも他方は開放。外筒に水を適量入れ、上から内筒を差し込む。その開放端が外筒に入れた水面に達しさらに降りると、内筒の空気がじゃまして外筒の水を内筒と外筒の間で上に持ち上げる。内筒内水面と内外筒間の水面差は、内筒の重さに関係した値になる(正確には内筒が水に入っている分は浮力が働くのでその分軽くなる)。息を使う要領が同じなら、先のU字管のとき作ることのできた差と同じだけ、この内筒内に息を吹き入れてその差が作れる。 あまりそんな説明をくどくどやっていると子どもは飽きてしまうので、それは省略。とにかく、「君たちの吹き込む息でこの上に積んだおもりは持ち上げられるだろうか?」と問いかける。 左端に誰かが熱心にノートを取っている姿が見られるが、じつは誰かの保護者ではなく、中日新聞の記者。 | 10kgを挙げた生徒に、「15kg挑戦者?」というともちろん全員が手を挙げる。 15kgもかなり多くの子が挙げた。次は20kg。やってみると一人だったと思うが挙げることができた。「25kgもやってみたい!」と希望する子が居たが、残念ながらまさか20kg以上を挙げるとは思わず持ってこなかった。最初内筒が外筒底に当たったまま、外筒から水が吹きこぼれるようになる。それでもまだ息を吹き込むと、内筒の水が内外筒間に押し出され吹きこぼれ続ける。それでも息を吹き込み続けられるなら、ついに錘とともに内筒は持ち上がるだろう。この最大水面差は筒の高さ120cm。この内筒内径は190mmなので、その差圧では34kgが持ち上がる。しかし、錘を上に置くやり方では内筒に安定化ガイドが無い現状ではバランスが悪く、内筒が途中で倒れる。底円周面に錘が均等にまとわりつき、ぶら下がるようにしなくてはならない。その形式だと、今度は錘の重さを変えるのは無理。ま、このあたりにしておくべきか。あるいは、自分の体重が持ち上げられるという風にするなら、内筒内径を30cm程度のものを再製作せざるを得ない。アクリル円筒など材料費だけで10万円仕事である。 | |
中日新聞の記者さん、「この実験と機関車の関連は?」と質問。「ピストンに圧力をかけるとすごい力が発生することを知ってもらうこと。デゴイチのピストンは直径55cmで、実験装置の3倍近い。面積では9倍にもなる。さらに今子どもが発揮した能力でせいぜい0.05〜0.1気圧、ところがデゴイチは15気圧。だから蒸気機関車では、子供が息で持ち上げた重さの何千倍、100d余もの力が引き出せます。子どもたちは今はうっすらとしかその規模がわからないけれど、とにかく圧力とピストンで思いもよらない力が発揮できることを体験してもらいたかったわけです。」と主旨を説明。実際、説明でも子どもにわかってもらえるよう、簡単にそのことに触れている。 | この水上置換装置は単にそれだけの実験で終わらない。本来人吹き汽笛を長時間ならすために考案したもの。普段はキャブ(運転席)の屋根の上に取り付けている自作の汽笛を外してきて、炭酸ガスとヘリウムをこの内筒に導入して内筒からバルブ経由で引き出し、中の筒内ガスを汽笛に吹き込むようにする。まず、内筒を外し、ドライアイスを水中に投げ入れ、すぐ内筒をかぶせる。上の写真はそのあと、水蒸気が筒内で凝縮して白煙状になったところ。 皆、「きれい」だと声を挙げる。この反応があることは全く案になかった。確かに幻想的。一度ガスを抜き、さらにバルブを閉めて内筒が上昇するのを待つ。そして汽笛を鳴らす。最初空気と同じ音が短時間してすぐ低い音になる。続いてヘリウムをタンクから導入して同様の実験、今度は高い音に変わることを確認。参加者たちも、間単に聞き分けができた。蒸気機関車は、水蒸気を使うし、さらにその温度は空気と違い200℃と高い。それで今日聞く音程と、当時の音はかなり違いますよと説明を加える。 |
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実はまだこの水上置換装置は実験項目を残している。笛を鳴らすバルブの先に2mmのノズルを遠山先生に作ってもらっている。それを取り付け、タンクの効果速度を測定してノズルから出る空気の速度を割り出す実験。計算上では、60cmの水面差(15kg程度)で風速は110m/秒程度になる。タンク降下速度は1cm/秒程度。だが、ちょっと小学4年生程度の子どもには面積比の概念が無いので、これは他の機会にやってみせることにした。この速度測定方法、大学では、ピトー管(飛行機が自分の速度を知るためにも備えていて、先日、その管の先に虫か何かごみが詰まって、大きな測定誤差を発生、着陸を失敗するところだったというニュースがあったが、まさにその装置)、ホットワイヤー(自動車の燃料と混ぜる空気量測定などに同じ原理の装置が使われている)、レーザードップラー流速計などがある。ピトー管は、結局圧力で測定するので、今回ここで使う意味は無い。ほかの二つは大変扱いが面倒。レーザードップラー流速計に至っては、若井研究室所蔵のものは、レーザーだけでも図体が非常に大きく、運ぶのは大変である。簡単に測定でき、しかも子供でもそれが理解できる方法は?と考えついたのが、この方法だった。これなら、面積、体積がわかりさえすれば、理解できる。 だから、このブースEは他のブースの倍30分を使うことにしたのだった。 |
ここから10枚は保護者を含め、全員に一台づつ取り組んでもらうぽんぽん船工作の様子。担当はH君。これはH君が数週間前から取り組んで来た。偶然だが、岐阜大学ものづくりセンターが夏休みに子どもを集めてぽんぽん船を作ったという。それを聞いて、H君、話を聞きに行き、参考にさせてもらったのだった。それから何度も子どもの身になってどこまで用意すれば時間に余裕を持って作り上げられるか、試した。そして今日。 |
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まずは部品配布。あらかじめ巻いておいた銅パイプ、船にする板、そしてカップに入ったローソク。つばめさんとY君が手伝っている。 |
何度も試しづくりを繰り返したH君、さすがに自信を持って作り方の説明をしている。 |
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、上、←、、↓:友達、せつめい係とめいめいに相談しながら、板のどこに銅パイプを通す穴を開け、ローソクを置くか思案。どうも、友達の方がうまく行きそうだと思う生徒あり、脇目も振らず家族で一心に取り組むチームあり、よりよい形を求めて学生かかり員に相談する親子など、とにかく熱心。こんなとこかと穴開け場所を決め、ドリル作業依頼。この作業は保護者にはやってもらって良かったが、催促しても、遠慮された。10月も20日ともなると陽が傾くのは早い。影が長くなり写真撮影も明暗がきつくなってきて難しい。 | ||
いよいよ完成した船の試運転。加熱場所が悪かったり、船の下に出た銅パイプの角度が悪かったりで動かない船も有ったが、修正してなんとか全部走った。H君は、ガラス管タイプを走らせ、パイプの中で何が起こっているか見てほしいと言った。残念ながら、ローソクの炎から出るすすですぐせっかく透明で中が透けて見えるガラスもすぐに真っ黒になって、動く理由がわかったかどうか。実はこのガラス管ぽんぽん船は私HPkeeperの次男が3年生か4年生のときの夏休みの工作に作りたいと言ったので、それならとガラス管でも作って見せ、理屈を理解させたことがあり(もちろんガラス管製は私が作ったわけで、次男が提出したのは銅パイプで作った方、今回よりパイプはぐんと太い外径6mmのものだった、走りは今回のものよりぐんと良かったが、短時間に曲げるのが難しいのでH君はものづくりセンターの方法を参考に外径3mmを選んだとのこと)、H君に用意してもらったのだった。今日は風が強く、なかなかローソクとガラス管の距離を安定に保てず、すすが付きやすかったのかもしれない。もし次回同様の催しをするなら、加熱には固形アルコールを使うべきだ。 | ||
ここから6枚はスターリングエンジンカー試乗会の様子。運のよい子が乗れる。私の案内は2名だったが遠山先生のはからいで 4名ほどが乗れた。運の良い子は常識的に「じゃんけん」で決めた。 |
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上下計4枚は、本番を控える車。遠山先生が手塩をかけて作り上げたものだが、最新バージョンではない。安定して子どもを乗せられる信頼性の高いものとしてチューニングしてくれた。 |
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昨年から遠山先生はヘリウムを使って大会に出場している。他の出場者がヘリウムで走って非常に効果的だったので、自分もヘリウム駆動できるように改良したという。ヘリウムガスを使う効果は「熱伝導率が空気より圧倒的にに高いため、高温室、低温室各温度にガス温度が近づき、またディスプレーサーピストンとシリンダーの隙間で蓄熱、受熱を繰り返すがその効率が100%に近づく、つまり理論サイクルに近くなる」「ディスプレーサーピストンとシリンダー間で行き来するガスの摩擦損失が大幅に減少する」ことにある。水素ならさらに効果的で、スターリングが考案した当時はとてもヘリウムを使うような技術レベルではなく、空気を使っており、当時主流だった「蒸気機関」に対抗して「空気機関」とも呼ばれていたのだった。1960年代、philipsが復活させたときから主に水素やヘリウムが使われている。ただ、上述の長所に対し、狭い隙間からでもあっという間に漏れてゆくのが欠点。水素は薄いアルミ箔でも抜けてゆく。ゴムシールなども変質させたり漏れたり。水素はさらに、天然ガスやガソリンより圧倒的に燃焼しやすい。つまり爆発の危険が高い。だからヘリウムが好まれる。スターリングエンジンの商品化はそのガスの漏れが難関の一つとして立ちはだかっていた。遠山先生のエンジンは、パワーピストンにシールをしていてある程度密閉性が有るが、いずれ漏れてゆく。ヘリウムを入れてパワーアップしたのは、ヘリウムの上述の長所が発揮されたこと以外に、内圧が高まったため(出力は内圧に比例する)でもあろう。このあたりは、シリンダーの圧力履歴を測定してみないと何ともいえない。 このスターリングエンジン開発、1960年代にリバイバルが始まり、1970年代後半から1980年代前半まで続いた石油ショック騒動時、燃料を選ばないエンジンとしてにわかにブームとなった。それは1990年代後半から2000年代前半の石油生産ピーク到来説、地球温暖化問題の現実化などから、燃料電池ブームを招いたのと酷似する。スターリングエンジン開発はというと、日本でもアイシン精機がかなりがんばっていたが、燃料電池ブームが主流になった頃、研究停止という。一方の燃料電池ブームも今は一時ほどの活気は失っている。そんな中、スターリングエンジン学会は継続しており、機会学会スターリングエンジンラリーも続いている。また商品化を狙った企業も世界的にいくつか存在し、日本にもある。燃料電池もスターリングエンジンも、地道な活動の中、路上を走る車では無理かもしれないが、スターリングエンジンだからこそできることが見つかってくるかもしれない。 |
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じゃんけんで勝ち抜いてドライバーになれた生徒。遠山先生は、まず運転の仕方を教える。とくに難しいのがクラッチ操作。変速ギアーはなく、低速トルクが小さい(これは蒸気機関車と同じですね)ので、人が乗ると重くて発車が独立でできないため、遠山先生が押す。そこでクラッチを徐々に入れる。その「徐々に」の程度が子どもならず、運転に長けた大人にも難しい。つい「がつん」というショックが発生する。あまりショックが大きいと、車体に狂いが生じる。大会出場用に作られた車なので、誰でも乗れるようにチューニングして作られているわけではない。遠山先生の作った車の中でも、その点が良好なものを選んでくれたのだろう。少々「がつん」というショックが有っても、問題なく走り出した。そこで、ヘリウムガスを入れるボタンを押すようドライバーに指示。すると急に速度アップ。この様子は私がはじめて見る光景。今まで空気駆動しか見たことが無かった。遠山先生はその車後部に紐をつけて引っ張っている。まるで、犬の散歩。子どもが間違って運転したとき、ブレーキをかけるため。とくに、子供がブレーキ操作がわからなくなったときのための助け紐。 夕日が傾き、さらに日影が長くなってきたが、乗れない子どもたちもまとわりついて機関車のフェンスの外回りを二週楽しんだ。全員に乗せてあげたいが、乗れない子供も、誰も不満を言うことなく、ついて走ることで満足してくれた。ありがたい。 |
ここからは、いろいろの熱利用おもちゃを見てみよう編で、ぽんぽん船を早く作り上げた余裕の人が見て不思議に思ったり、楽しんだりすることができるように、机に並べたおいた。その中には、蒸気機関車の動輪にくっついている三日月型の模様、D51でもそうだが、その形が4つある動輪一つ一つ違う、その意味は?というコーナーも設けた。これは私の依頼で、遠山先生が昨夜から今朝にかけて作ってくれたもの。簡単に子どもが見てわかり、試せるものとして、あれこれ考えた。本来はコネクティングロッド、その中心となるクロスヘッドの偏心重量とバランスさせるカウンターウェイトなのだが、コネクティングロッドを付けて理解させる装置を作るのは時間的に無理になってしまった。ついにもっともシンプルに回転円板の一方に錘を付けて回転させるとがたがたするが、反対側に同じものを付ければ安定するというだけのものにするこにした。それが見てすぐわかるためには、細い長いピアノ線を軸にすればぐらぐらと揺れるから、不安点ぶりが一目瞭然。その円板に遠山氏は使い古しのCDはどうかと提案し、その中心にベアリングを付け、軸を通して作ってきてくれた。それ以外に、遠山先生ご自慢のいくつかのスターリングエンジン、そのカットモデル。今日見てもらった、ブースBのタービンの説明に関し、現在実際使われているジャンボジェットの初段タービンブレード、初期のものと最近のもの、第二段ブレード(初期のもの)、ブースBで使った小型単段タービンブレードの相手となる、コンプレッサー動翼(もちろん実物)、太陽熱で回るラジオメーター。持ち込んでおきながら余裕無く展示できなかったのが、周り灯籠、見失って持ってくることもできなかった中国で購入してきた熱湯型小便小僧(お湯をかけると小便を勢いよく噴出する)。 |
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:ラジオメーターが回る不思議さに見入る生徒。これの理解は分子運動がわからねばならない。 ↑:遠山先生が持ち込んだ超低温度差(お湯と大気温)で動くスターリングエンジン。 ←:実験で持ち上げることのできた重さに満足できなかって再挑戦?でもこれ錘が乗っていない。錘が無いときはどんなに楽か、試しに来たのだろうか?確かにそれは誰も試さなかった。 :ブースEにで示した、巻き取り笛を復習。 ↓: 向こう側は平和の鳥の頭を濡らして動かそうとする私。手前は上で示した超低温度差で動くスターリングエンジンの高温側湯を沸かす遠山先生。このあと遠山先生の後ろのお父さんがスターリングエンジンはなぜ動くのか、詳細に質問された。カットモデルを持ってきていた(遠山先生の前にある赤い外周、黄色いスポーク部を持つものがそれ)ので、理解していただくのが早かった。そのカットモデル手前が、模型蒸気機関車。その右がブースBでつばめさんがタービン発電の原理を説明するのに使ったタービンにに一軸でつながるコンプレッサーローター(動翼)、もちろん実物。 ↓:遠山先生が機械学会スターリングエンジンラリー初期参加時に入賞した「スターごっち」を持って説明。 。 | |
昨夜は蓄圧タンク肉厚測定が日没後あまりに暗くなり、買い換えたカメラEOS 5D)にストロボが付いていないため、持参すべきだったがこんなに早く暗くなるとは想像せず、今日明るい中でチョーク書きの数字を撮影することにした。それにしても、20Dの簡易ストロボ、5Dも備えて欲しい。力不足であっても、ちょっとしたときには、非常に重宝する。 コンプレッサーがこちら、公式側にあり、つづら折れの長い配管(写真でタンク手前に見えている)で圧縮時の高温を下げながら、まず公式側タンクに圧縮空気は入る。その後、機関車のボイラーの下を通って非公式側タンクに入る。空気に含まれる水分は、圧縮を受けたとき、蒸気圧が圧縮された分だけ高くなろうとするが、飽和蒸気圧は温度で決まっているので、すぐにその圧力を超えてしまい、空気にとけ込んでいることができず、いわゆる凝縮する。それが起こるのは、この長い配管である。したがって、凝縮はこの配管中で起こるだろう。とすると、その凝縮水はほとんどが公式側に溜まることになるはず。 |
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公式側の肉厚測定結果。昨日も述べたが、ほとんど減肉していない。右のドレンコックの位置はもう少し薄かったが、当初の肉厚から0.3mm程度の減肉で全く問題ない。 | 非公式側は、公式側より0.2mm程度多く減肉が進んでいる。これは異な事。上述のように、ほとんどの凝縮水は公式側で溜まるから、錆による減肉が起こるなら公式側のはず。無理に想像するなら、非公式側にはあまり水が溜まらず、ドレンコックを開くのをサボった? | |
当会発行新聞の閲覧用ボード。ラミネート加工したためA3両面刷り7枚が重く、このようにだらしが無い様になる。ボードの背面にその新聞の重量と腕長さ、 | つまり専門的にはモーメントにバランスするカウンターウェイトを取り付けたあと。ただし、簡易的なので、十分バランスできていない。後日、きちんとしたい。 |
はてにゃんさん持ち込みのビーチパラソルが、地味で真っ黒の機関車を引き立てる? | そのはてにゃんさん、一番乗りで構え、メンバーが到着すると「ようこそ D51亭へ」と気分が乗っている。 | |
発電用タービンの調速側。何か、抵抗になっているものはないのかと、片っ端から探しまくる。 | だが、どれもこれも抵抗になている様子は無い。この反対側の軸受けも本分で書いたとおり、結局は原因ヵ所ではなかった。 |
この子が、本文に記述した、乗務員に成りきっている小学生。中原会長から借りたタブレットで、ご満悦。白い手と制帽(自分でかぶってきた帽子ではなく、守る会保存の所有物)は少々だぶつきぎみながら、全く気にせず姿勢もきりりと決めている。 |
機関車の北に育っているザクロ。もう少ししたら、血のように赤い実が熟す。 | 肉厚測定の準備作業の春日井のツバメさん。まだ6:28なのに陽はとっぷりと暮れた。 | |
肉厚測定をしていただいた知り合いのかたは、目立ちたくないとのお申し出なので、顔をぼかさせてもらった。 | 焦点は顔だったが、そこをぼかしたら、暗くて絞りを開けて撮影しているため被写界深度が浅く、ピンぼけのようになってしまった。 |
燃料電池のスタックと制御部、機関車ではなく、テンダー部に乗る。 機関車は弁慶号の形なので、ボイラーも細く、動力部分を入れるのは無理とのことだろう。 |
その弁慶号の外形。大阪の交通科学博物館で実物を調べ尽くしての縮小モデル、動輪や番号プレートなども、立体的にコピーが作られている。 |
東から見た建物正面。左の黒いものはテンダー車。緑の床部分は、機関車のフェンス内。屋根の支柱が実はじゃましているが、それはまだ入っていない。 |
フェンス外、北の方から見た感じ。ちょっとハイアングル。段ボールで台を作ったのがわかる。その端には実際、フェンスが有る。建物左には、電柱もあるが、作っていない。 |
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会長が一番気にしておられる、後ろ姿を写真に納めるのに、倉庫部分が邪魔になること。本来フェンス一杯に作ろうと思ったけれど、これまでかなと会長。ちょうどフェンス一杯9.5mの半分の幅。 |
上と同じ方向だが、ローアングル気味、つまり子供の視点相当。機関車側面全体をこのあたりから斜めに見ると、この程度建物が邪魔になるが、この程度はいたしかたない。 |
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上は山形の屋根で製作が面倒。とくに我々素人には。一方、一枚屋根にしようとすると、風圧を受けやすいと思われる。一応試しに作ってみた。 |
後方から見るとき、屋根が高くなるので機関車が見えにくくなると心配している。この写真では、邪魔さ加減はあまり山形と変わらないように思える。 |
蒸気タービン軸受けに清浄剤を吹きかける、はてにゃんさん。 |
三重からの訪問者親子。許可をいただいていないので、顔をぼかしました。 |
公園事務室から借りたツルハシ。その周辺に写っている石は十余年前、会長が2300個ほど運んで埋められた大きな石。 |
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はちまき姿でツルハシを打ち下ろすのは、副会長・安藤さん(なんとなんと八十云才、お元気そのもの、さすが国鉄で鍛えられた強者)。 |
その向こう麦わら帽子姿は、一斗缶にゴミ類を処分しているはてにゃんさん。左は、ツバメさん。中原会長は、塗装中で写真の外。 |
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つばめさんがツルハシを入れているとことは、もっとも難航した、バラストと普通の土部分を仕切る栗の木の土台下を通す穴を作ることだった。深さ15cm〜20cmの木の下にはツルハシが入りにくく、その下には数センチの丸石が入っていて、突き棒で突いても跳ね返る。 |
指で石まわりの土を掘り出し、石をつかんで取り出すことを繰り返し数個の小石を取り出した。こうして、なんとかコードを自ら守るパイプが通ることのできる大きさの穴を掘り終わり、さらにその先のバラストを取り除き、レール下を通しているところ。 |
左は電力を取り出す電柱。その真下から穴を掘り、バラストを囲む栗の木まで掘った穴。中央は、つばめさんがコードを土に埋めたとき水に浸らないようにかぶせるパイプに、コードを通しているところ。なかなか通らず、向こう端では安藤副会長が引っ張ってまっすぐに伸ばし、コードを通しやすくしている。こうしてコードを通したパイプを、掘った穴に埋め、土をかぶせて取り除いた大石も元の位置に戻して完成。。 |
はてにゃんさんから、使っていないからと借りているコンプレッサー。春日井のツバメさん持ち込みのコンプレサーと合わせれば、8気圧に達するのは1時間程度に短縮されると期待。だが、この静態保存場所への電源は10A。延長コードで、事務室に伸ばし、事務室で、コンセント蓋を開けてもらう必要があるのが少々難。 |
オンダ製作所提供の全バルブ、ニップル、ジョイント類。感謝、感謝。 |
肝心のタービンはどうもうまく行かない様子。詳細は省くが、発電用タービンは、どうしてもどこか抵抗が大きいところがあって、レンチなどで動かすと回るが、空気を使っての駆動はできない。ATS用タービンは、軽快に回るのだが、発電機が壊れているらしく、電圧が測れない。今日はしかし、14日より圧力が高くなった(はてにゃんさんの持ち込まれたコンプレッサーは効率が良い?)ので、つばめさんがもう一度電圧を測ってみようとのこと。きたさんと測定、「2Vしかならない」「いや0.2Vしかないよ」「じゃ、LEDが点くかどうかだね」「電流さえ十分なら、LEDでもたくさん使って明るくなるかも」と会話。そうこうするうちに、4時をすぎる。つばめさんは、タービンは下ろすなどして本腰を入れてまた取り組みましょうと提案。今日は、作業用の高さ1.5m程度の台を春日井に持ち帰り、来週春日井の機関車の除煙板を再塗装するためとのこと。あちらの公園の閉まる時間のためか、5時半までに戻らねばならないからと、後かたづけしてきたさんと帰られた。 会長と私も、きたさんがロットのさび落としをされたあと、油が切れて錆が出るのを防ぐため、油を塗って、あと片づけをして分かれた。 |
それから程なくして、春日井のつばめさん到着。一緒にATS用蒸気タービンの整備開始。残念ながら、タービンは回るが発電していない。それで、発電機を見てみることにした。そのために、ケーシングを外して中を見てみることにした。当然塗装してある発電機カバーのラッカーが堅くなってとれないのだろう。 そのラッカーを外すために、バーナーで外から加熱。中身に痛手を押させるわけにはゆかないので慎重に。これだけでは取れなかったが、あれこれやって、なんとか途中まで分解したが、うまくゆかない。 ならばと、本来の発電機の方を調べる。こちらもてこずる。つばめさんが、回転軸に取り付けられている部品をモンキーレンチで掴んで、動かすとやっと回る。だが、相当堅いという。油を差すべき所にはさして、回転させたが堅さは変わらない。やはり発電用は無理っぽい。 つばめさんも私も12時頃までにできる範囲で対策することにしていた。だから、ここまで調べたところで、やはりタービンとしては回転するATS用を使い、別に発電機を付けることとした。これで、蒸気機関車は外から動力をもらうことなく、自力で発電もすることを照明したのである。 はてにゃんさんは、自宅にほとんど使っていない、またこれからも使う頻度が極端に少ないだろうコンプレッサーがあるから、持ってきましょうか?と言われ、実際に取りに行かれた。それを、小屋に置いておいて良いとのこと。これは嬉しい。つばめさんの持ち込まれたコンプレッサーと二つあれば、準備時間が半減する。とはいえ、市が用意してくれた電源は10Aどまりで、一台分、二つ同時に使えばブレーカーが飛ぶ。近くの公園事務所から延長コードで引く必要がある。いずれ、資料館完成の折りには、容量を増やしてもらおう! |
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