D5140 梅林号 D51470静態保存車　1.3

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1. 梅林号 D51470

2. 蒸気機関車の日常

3. 元蒸気機関士

4. 今の技術なら

付1. リンク

付2. 近隣の保存状況

交流板

第1章ﾃﾞｰﾀ	第2章誕生～廃車	第3章梅林公園展示～20年	第4章さらに 6年	第5章保存会発足後

付1. 今後の予定	付2. 顔ぶれ	付3. 訪問帳から

第 3 章　梅林公園に来た後の20年(昭和49年・1974年～平成7年・1995年)

　肝心の搬入時をついに入手(06.02.25)。直後の写真も、同じ方から提供を受けた。
　06.10.29には、まさに搬入時公園入り口から設置場所までの写真も近所の方から提供していただけた。　以下、年代順にごらんください。まだまだ不足状態なので、写真をお持ちの方は是非、ご提供いただけることを期待しております。

74年 5月 5?日
　　搬入ルート判明(07/03/21)
　今度は、写真は無いが、運搬経路を知る人が現れた(07/03/21)。
　下の写真からわかると思うが、運搬業者は日通だった。3月21日、自転車で訪れたお年の割にがっちりとした体格の方が「この機関車は稲沢から来たんやろ？」と言われた。「いいえ、山口からだから、おそらく稲沢へ行き過ぎて寄ることはなく岐阜駅で止まってそこから来たはずです」と答えると、「そーか、そうやったんか、私は貨物駅から運搬したときの日通側の者やが、岐阜へどうやって来たかは本当のことは知らなかった、てっきり稲沢から来たと思っていた」とのこと。「それなら、そのときの話を聞かせてください、良い人に来てもらえた」とお願いし、この日来ていた中原会長、末次さん、私の三人でインタビュー。その方によると、貨物駅では運搬日の前から準備し、出発前日に日通のトレーラーといっても大げさな、タイヤが数十本も有る重機につり下げた。これだけ大がかりな重機は岐阜には無いので、名古屋が請け負った。運搬当日は深夜12時集合で、出発したのは1時頃だった。ゆっくりゆっくり道路を傷めないように鉄板を敷いたり路側は板材で補強したりと時間がかかった。パトカーも先導車など三台が出ていたと記憶。そして、都通を北進、金峰町通りとの交差点で右折し、今度は東進、電車道(神田町通りの名鉄市内線のことで、ご存じのように2005年3月で廃線となり、レールは2006年冬に剥がされた)を横切り、さらに進んで左折し、今度は北進。この道路がどこか記憶に無いとのこと。考えられる道路は美園町通り(最近、郵便局通りとも名付けられているが、その名はあまり使われていないようで、あいかわらず美園町通りの方が通じる)か、旧国道22号線を北進してきた竜田町通り。おそらく道路の広さから言って後者だろう。それを北進すると、梅林公園の手前で国道156号線とほぼT字路で交差する三叉路(実際には非常に狭い道路になって梅林公園側にも続くので、4叉路)。そこで国道156号線、したがって名鉄美濃町線が路面になっている道路を東進。しばらく行くと変則三叉路、非常にきついY字路。いや「逆トの字」路。156号線にほぼ並行していた殿町通りがここで合流する。この殿町通りは開設当時の美濃町線が敷かれていたところ。この西の美殿町通りに変わる直前に、始発駅が有った。今もその場所は少し広くなっていて面影が面積として残る。さて、その変則三叉路のすぐ東に北進する小さな交差点がある。実に複雑なところで、その二つの交差点の間に、スーパーマーケット「川口屋」があった(2005年、名鉄路面電車廃止とほぼ同じ時期に閉店)。その川口屋の東の北進路は非常に狭いが、なんとかその重機が通れたのだろう。そのまま梅林公園東面の道路となっている。その重機は、機関車をはさみ込む橋桁のようなビームで二つの台車が前後につながれ、その台車はトレーラーにつながっている。そのトレーラー・台車は前後一対有ったという。だから、図体の大きさの割に小回りが効いたと、その方の弁。前後のドライバーは無線で連絡しながら運転していたという。機関車の重連は速度調整しかできなかっただろうが、その情報伝達は汽笛のみだった。小回りするこの場合は、無線有ってのことだろう。こうして狭い公園への入り口、公園内の湾曲した道に入ってきたところが、下の写真。左の写真のこの運搬車の右に写っている平屋民家の後ろ少しだけ写っているのが、旧川口屋。運搬時も50人ほどの作業員が居たとのこと。入り口に 5月 6,7,8に作業するとあるが、おそらく6日には導入のためのレール敷設など前作業をし、この運搬は7日だっただろう。8日は後片付け作業日だったと想像する。この方も、実際の運搬据え付け作業は一日だったと言われる。
　余談であるが、この方は、その後岐阜大学の統合移転もやったとのこと。やはり、岐阜にはそれだけ大がかりに運搬するすべが無いので、名古屋が中心になったとも(実際、日通のトラック類だけでは無く、あちこちの運送業者のトラックが使われた)。それは昭和56年から始まった。機関車運搬は非常に昔のことと暗に思っていたが、大学移転のほんの6-7年前のことだったのだ。大学移転は、各務ヶ原キャンパスから20kmほどを工学部、本部、農学部と三期にわたり、つづいて長良キャンパスから6kmほどを教育学部、教養部(現地域科学部の前身ともいえる)の二期、さらに市中心部の司町(名前からも市心を思わせる)からやはり6kmほどを医学部・附属病院と続いた。終わったのは、平成16年のことで、実に四半世紀を要した。D51470の設置が大昔のことと思っていたが、意外とそうではなかった印象と上に書いたが、いやいや岐阜大学の第一期移転が同じぐらい大昔だったことになる。ちなみに、大学移転の先発隊であった工学部の新築では、「50年は使うことを前提に設計せよ」と言われたのだった。現在までにもう半分が過ぎていたのだ。移転後の機関車と同じぐらい工学部建物も年を重ねたことになる。
　一方、この機関車はいつまで保存できるのだろう？上述のような歴史を考えれば、50年は目前に迫ってきているとも言える。守る会は、きちんと整備すれば会長の100才までは、再塗装の必要なしと見ている。それはちょうど50年目あたりである。
　話戻って、是非この道中の写真を入手したい。昭和50年頃といえば、「私にも写せます？」や「百恵ちゃん」が動・静のカメラの宣伝をにぎわしていた時代。深夜のこのでかい機関車の運搬作業を写すには、強烈なストロボでもおそらく良い写真は難しい、感度の良いフィルムが必要だっただろう。一般に入手できたのは、カラーはISO400(当時は ASA400と称した)だったろう。モノクロなら、増感現像が簡単にできたから、撮した人が居るなら、モノクロだろう。機関車はモノクロが似合う。誰か撮した人が現れることを期待している。
　さて、この方はだいたい説明をされると、名前を聞いても語らずに帰られた。しばらくすると戻って来られた。「今確認してきたけれど、この先の殿町通りの次の角のところにあるペリカン便の店の方が昔日通の事務の方だったから、おそらく何か知っておられるから訪ねられたらもっと詳しいことがわかると思うよ」。それだけを告げにまた戻って来られたのだった。その親切さに深くお辞儀して感謝の意を表した。会長は、知っている方かもしれない。近いうちに、聞きに行ってみよう。

74年 5月 6?日
　今度は、梅林公園へ導入するときの写真が入手できた(06/10/29)。

　06年10月14日、汽笛の音を聞いて梅林公園のすぐ近くの方が写真を持ってこられた。見てみると導入時のもので、下の写真より少し前のもの。経年変化で相当色あせしていたので、赤を減じてみた。川口屋(数ヶ月前閉店、最近買い手が着いたのか、外装工事中)の東に面する道路から搬入されてくるところ。こんな風に運搬されてきたとは、思いもよらなかった。持参された方によると、朝5時代だったとのこと。5月初旬で、5時代といえども明るい。おそらく岐阜までは軌道上をディーゼルカーかなにかで牽引されてきて、この運搬車に移されたのであろうが、その時間は深夜だったと想像する。これだけものものしい装備で運ぶわけだから、交通量が少ないときでなければならない。この写真で謎が解けたことがある。梅林公園のすぐ南には岐阜市の幹線道路の一つが走る。国道156号線であり、金沢まで通ずる。その道路には徹明町から刀鍛冶やカミソリなど、刃物で有名な関市を通り、お札で知られる和紙の製造で有名な美濃市に至る「美濃町線」が路面を通っている。その架線をどうやってくぐり抜けてきたかが疑問であった。動輪など台車部分とボイラー部分を分離すれば可能だろうが、下の写真を入手したとき、それは否定された。テンダーとは分離されているものの、機関車はそのまま運搬されて来た様子を物語っているからだ。ならば、どうやって？大型トレーラーで台車に乗せれば、明らかに架線にひっかかる。架線を持ち上げながらだったのだろうか？　一回くぐれば良いわけだから、そのときは一ヵ所だけ切断したのかも？
　それらの想像はことごとく否定された。動輪など車輪が地面すれすれになるように、つり下げて運搬したのだった。なるほど、すごいことをやったものだ。
　運搬距離が短いときは、この方が効率的なのだろう。台車部分とボイラー部分を分離するのは、長距離の場合なのだろう。もちろんキャブ部分も分離しないと、キャブ屋根部も煙突並みに高いので、架線に引っかかる。
　こんなにしてお輿入れして来たのかと思うと、なぜか涙が出てきそうになる。

　いただいた写真は全部で15枚。来年3月の梅祭りではすべて公開しよう。
　提供していただいた方は汽笛の音を聞いて、機関車のところに来られ、会長とはなしをするうちに我々が設置時の下の写真以前を探しているということを知り、持参されたという。汽笛は近所の方に迷惑がられていると思っていたが、その方は懐かしい音が聞けたといっておられた。汽笛で写真を入手とは思いもよらなかった。
　なお、上述川口屋は、我々活動日にはよくおにぎりなど購入に大変便利だった。今度はどんな店になるのだろう？スーパーか、DIY店が嬉しいと、我々は勝手な期待をしている。是非！！

　さて、あとJRの軌道から川口屋横までの運搬の様子の写真が欲しいところ。

74年 5月 7?日

		ついに、搬入時の写真を入手！！2/19、中原会長がいつものように整備作業をしていたら、ふらりと訪問された方と整備など話題がはずんだとか。そんな中、この方は搬入時に見に来ていたと言われる。会長は、今保存会がそのころの写真を探しているのだけど、と説明すると、「自分も撮って今も持っている」との話し。写真とネガを貸しても良いということで、2/25に届けていただいた。その一部をここに掲載。　今週土曜日・日曜日(3/4,5)の梅林公園梅祭りでの「D51470現役時代から現在まで・写真展」、20枚程を一挙公開予定。　これらの写真を見てみると、あまり見物客は無かった。また写真を撮っている人が映っていない。したがって、この方以外には撮影した人は居ないか、非常に少なく、これ以上を求めるのは無理かも？いやいや、この方はまだ他のシーンが有るはずと探していただいている。

74年 5月 8日


		06年6月24日夜、岐阜市在住と思われるkojiro-railwayというホームページを出しておられる方からメールが入った。搬入時の設置作業風景写真を数枚持っていて、そのホームページに掲載しているとのこと。しかも、転載もかまわないとのこと。それで、早速お礼がてら、梅祭りなどの写真展で使わせていただきたく、解像度の良いファイルを送っていただければ、なおうれしいと図々しくお願いしてみた。ご快諾を得た。ありがとうございます。上の写真は、そのページに掲載されている中から抜粋している。ほかにもごらんになりたい場合は、是非、kojiro-railwayの中の19号館中、梅林公園にSLが来た日(1974年)をご覧ください。また、06年の梅林公園梅祭りにも来ておられたようだが、守る会のメンバーは大勢の訪問客相手などで、気づかなかった。

74年秋、冬


		搬入から数ヶ月後の写真で、撮影者は搬入時と同じく、近くの末次さん。ネガケースには 7/25となっていたが、右下の写真以外三枚と同時に撮影された他のネガでは、紅葉が写っているので、秋と思われる。また右下はポーズを取っている子供も左に写っている老夫婦も冬の装いだから、74年末か75年初めと思われる。キャブ内の逆転レバーにぐるぐると縄がかけてある。動かすのを禁止するためだろうか？今は、動かすことがでできるようになっている。実際リンク機構が動く。真鍮製レバーもそろっている。この後盗難に遭ったのか、無くなってしまう。現在有るのは、春日井保存会のメンバーの有志に、寄付していただいたからと、会長。搬入時は形式製造番号は直書きされたものでプレートは無かった。ここでは付けられている。機関区版は、「長」となっている。搬入前の「長門機関区」の意味。機関助手席壁面やテンダー表面も非常にきれい。連結器はなぜか白い。他の保存車も白いものがある。

89年 2月16日


まだ「梅林号(D51470)を守る会」の影も形も無い頃の写真であるが、現守る会副会長 A・Yaさんから提供を受けた。キャビンで写っている女性は、どなたか不明。その機関助手側壁面に所属機関区プレートがあるが、上に示したとおり、74年搬入当時は「長」となっていて、長門機関区を表していた。この15年の間に梅林公園所属という意味であろう「梅」に書き換えられたことになる。窓ガラスは石でもぶっつけられたのか、割れている。この窓ガラス、現会長・中原さんが活動を始められたころは割れていて、修理されたと聞く。96年の写真では、確かに傷もなく写っている。