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ここは、JR上諏訪駅から諏訪湖に出て湖岸道路を見渡せば、見えてくる。あるいは、諏訪湖巡りの遊覧船乗り場を目指してゆけば、かならず見つかる。実にわかりやすい場所にある。 このD51、よくみる形の除煙板ではなく、下部が無いのが特徴。なぜそうなのかを私(D51470HPkeeper)は知らない。 なお、この除煙板は英語で、def.(デフ) あるいはフルスペリングで「deflector」。岐阜市梅林公園のD51470を守る会の安藤副会長(元国鉄機関士)がこの「除煙板」という言い方に注文を付けられている。そんな言い方は間違いだ、煙を除くような作用はあり得ない、「反らせ板」というのが正しいと。古いテキストにはどう記されているのかわからないが、昭和24年頃の教本には除煙板となっている。しかも名古屋鉄道出版の本。国鉄が認めている言い方ならしょうがないけど、意味はおかしいと、残念そう。煙を除くという意味を生かす説明をするなら、キャブへ入る煙を除くという解釈になる。じゃ、もともとの「deflector」 はどういう意味か。さらにもととなる、「deflect」という動詞は、歪めるとか反らせる、偏向させるという意味。最後に"or"がくっつけて名詞化している。こうして語源的にも、安藤副会長の言い分が正しい次第。 |
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鉄が直に顔をだしているところは、錆が結構出ている。キャブ内、水面計のガラス枠は無いのに、ガラス管が残っている。ちょっと当たれば折れるので、むしろ外しておいた方が良いのでは?と思う。圧力計はきちんと残っている。前照灯もガラスが入っている。松本のD51172も誰もが自由にいつでも入れる状態なのに、盗難にはあまり遭っていなかった。長野県の皆さんが節度有る人ばかりかと言えば、同じ長野の他の保存差車両で盗難などに遭っているものもあるので、いちがいにそうとは言えないだろう。が、とにかくここは奇跡的とも言えそうに残っている。 岡谷のD51349も湖畔に安置されているが、そちらは湖にまさに面している。諏訪のこの機関車と諏訪湖の間には堤防があって(非公式側)、台風などの強風で波を被るということは、よほどのことが無ければ無さそう。岡谷の方は、少なくとも車輪が陸に押し寄せる波がレール・車輪を洗うことはありそう。鉄材への影響はだから、こちら諏訪の方が条件が良い。波と言っても湖の淡水なので、塩を含む海辺の影響とは桁違い。たとえば、津の保存車両は、内陸の少々高台に設置されているが浜風がここまで届くのだろうか、屋根のないことも災いしているのだろうが、キャブ内の床は乗ったら抜け落ちるのではと思わせる荒廃ぶりだった。 諏訪湖畔のこれら二台に屋根はついている。こちらD51824の屋根、記憶にないが、格好からして雨樋がありそう。並行する道路には写真でもわかる街路樹があり、秋には落ち葉が飛んできて屋根に落ち、雨樋を詰まらせそうな気がする。岐阜市・梅林公園のD51470は立派な屋根を持つが、雨樋がない。だから、雨が降れば、大きめの屋根が災いしてその面積に降った雨が屋根の端からぼたぼたと落ちてくる。高いところから落ちる大きな雨粒の衝撃で地面が浸食される。樋を付ければそれは防げるが、高い屋根の端の樋掃除は大変危険。どちらを取るかといえば、岐阜市としては命にかかわらない、足場の悪さに目をつぶりたいだろう。こちら諏訪の屋根が雨樋を持っているとしたら、掃除はどうしているのだろうか? それにしても、蒸気箱の色は、どうもいただけないですね。 |